2011年10月25日

「アンダー・ザ・ドーム」

「アンダー・ザ・ドーム」(スティーブン・キング)を読みました。

スティーブン・キングは、昔、学生時代によく読んでいたのですが、今回は、実に数十年ぶり。いやはや、相変わらず長い。そして、面白い。かなりのボリューム感のある上下2段の上下2巻にわたって、常に何かが起こっているといった状況。そのサービス精神には頭が下がります。

物語は、アメリカの片田舎のある町が、突然、正体不明の透明なドームに閉じ込められてしまうという極めて異常な事態から始まります。しかし、その後は、次々と異常な事態が持ち上がるというわけではなく、孤立した町が、権力欲に取りつかれた権力者によって、プチ独裁国家に変わって行く様と、その圧政に抵抗する勇気ある人々の活躍とが描かれます。

著者は、相変わらずの細かい描写力で、多くの人間が町の中で動き回るさまを、実に活き活きと描いています。それらの人々は、本当に彼の頭の中にいるかのように、思い思いに、自分の過去を引きずって、自分らしく行動しています。常々思うことなのですが、「物語を創る人の頭の中って凄いなあ」と、今回もまた改めて感動してしまうわけです。

物語の中で、小さな独裁者は、策略と警察力とを武器に、次第に暴走の度を強めて行きます。そして、やがては町全体が徐々に狂って行きます。これって、どこかの独裁国家でも同じようなものなのかもしれないと思ったりします。

さらには、個人の中で起こることも似たようなことなのかもしれません。頭や心を閉じてしまうと、次第に独善的になって行くのに気づかず、歯止めがかけられなかったりします。いつもオープン・マインドでいて、他人の言葉に謙虚に耳を傾けられるように気を付けよう、などと、この機会に「我が振り」を直したりもします。色々と考えるきっかけを与えてくれるのは、力のある物語の効能のひとつだなといつも思います。心の温泉です。

さて、物語は、ハロウィンに用意された怒涛の結末に向かって、一気に駆け抜けて行きます。もうすぐ、ハロウィン。日本は大丈夫かな。
posted by アイピーロー at 12:57| 日記